北朝鮮問題について

2019年6月5日 外務委員会より

 

 それでは、二つ目の項目として、北朝鮮問題に移らせていただきたいというふうに思います。

 まず、五月に北朝鮮が発射した飛翔体についてでございます。これについてはこれまでも質問も出ておりましたが、私の方でも質問させていただいて、確認したいというふうに思います。

 まず、この飛翔体についての日米の認識にそごがあるのではないかという点についてであります。

 今回の首脳会談では、両首脳は、北朝鮮問題について、最新の北朝鮮情勢を踏まえ、十分な時間をかけて方針の綿密なすり合わせを行った上で、国連安保理決議の完全な履行の重要性を含め、日米の立場が完全に一致していることを改めて確認したとされています。

 しかし、トランプ大統領のこれまでの御発言の中で、短距離弾道ミサイルについては気にしないという御発言があったり、共同記者会見の場では、アメリカ国民はもしかしたら北朝鮮が国連決議に違反しているかもしれないと思っている人もいるかもしれません、しかし、私はそうは思っていませんというふうな御発言がありました。

 そこで伺いたいんですけれども、五月の北朝鮮によるミサイル発射について、このことが短距離弾道ミサイルであるという点、そして二つ目としては安保理決議違反であるという点、この二点において日米の立場は本当に完全に一致しているのか、そして、我が国政府として完全に一致しているというふうにいうのであれば、なぜ共同記者会見で大統領から我が国の評価と異なる内容が発せられているのか。この二点についてお伺いしたいと思います。

 

 

河野国務大臣 短距離弾道ミサイルが発射され、安保理決議に違反しているということで日米の認識は全く一致をしております。これは、あらゆるレベルで日米とやりとりをする中で確認され、アメリカ側も、ボルトン大統領補佐官あるいはシャナハン国防長官代行が明確にそう発言をしております。

 他方、トランプ大統領は、現在の米朝プロセスを続けていくという意味で、北朝鮮向けにさまざまな発言をされているというふうに認識をしております。

 

山川委員 ありがとうございます。

 米朝の交渉なり、米朝の関係においてそういう発信をされているというふうに理解をされているということでありました。

 そこで、更に伺っておきたいんですけれども、今おっしゃられたように、また、きのうのレクでもいろいろとお話を伺ったんですけれども、トランプ大統領のその発信の背景に、大統領と金正恩氏との駆け引きと言えるようなものが背景にあろうかとは想像する部分、察する部分ももちろんあるんですけれども、このことが、我が国が国連決議を主軸とする外交上とるべき行動を抑制するようなことになってはいけないなというふうに思っているわけであります。

 日本は、河野大臣が安保理議長として二〇一七年に非常に強いメッセージも発せられていますし、ぜひ、日本の立場、しっかりと貫いていっていただきたいと思うんですが、その点についてお伺いをしたいというふうに思います。

 

河野国務大臣 今、国際社会は、北朝鮮が核並びにミサイルのCVIDを実現するまで安保理決議をしっかり履行しなければならぬという認識で一致をしているわけでございまして、それはこの時点で何ら変わりはないというふうに認識をしております。

 

山川委員 ありがとうございます。

 では、例えば国連への働きかけとか、何か国際社会への具体的な働きかけというのを行っていく御予定についてはいかがでしょうか。

 

河野国務大臣 今、国際社会の中で、安保理決議をしっかりと履行していこうということで足並みがそろっているところでございますので、日米を始め、この安保理決議の抜け穴となっている瀬取り、あるいは仮想通貨、最近は暗号資産というんでしたっけ、暗号資産の奪取、あるいは北朝鮮の労働者、まだ海外にいる労働者の本国への送還、こういったものをしっかりと進めるべく、国際社会の中で連携をしているところでございます。

 

山川委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 それでは、北朝鮮問題についての日朝首脳会談に臨む姿勢として、条件をつけずにということについてなんですけれども、もちろん、トランプ大統領からもこの問題に対して、先ほど一番最初の先生の質問の中での御答弁で、協力の表明も得られて非常に心強いということは、私もそのように思いますけれども、しかし、条件をつけずに日朝首脳会談に臨むことにもリスクもあるんじゃないかなというふうに思います。

 北朝鮮側は開催に応じる気配はありませんし、仮に開催が実現したとしても、交渉が決裂した場合には、まだ完全な決裂に至っていない米朝の非核化交渉にも影響を与えかねないという見方もあるわけですが、この条件をつけずに首脳会談に臨むことのリスクについてどのようにお考えなのか、お伺いをしておきたいと思います。

 

河野国務大臣 拉致被害者の御家族が御高齢になる中で、やはり拉致問題の一日も早い解決を目指して、政府としては、あらゆるチャンスを逃さず、しっかり対応していきたいというふうに考えているところでございます。

 

山川委員 ありがとうございます。では、ぜひともよろしくお願いいたしたいと思います。

 それから、北朝鮮問題で一つ、共同記者会見の中で、トランプ大統領の発言の中であった言葉で、ちょっと気になることがございました。それについて伺っておきたいと思います。

 このような御発言がありました。安倍首相と私は、朝鮮半島の平和と安全を追求するため、緊密な協議を継続していく、我々のアプローチの本質は力による平和だというところがありました。これを読んで、この力による平和、これはどういうことかなと改めて確認したいというふうに思いました。

 私は、この外務委員会で質問させていただいた一番最初のときだったと思います、河野大臣に、平和をつくり出すということの私の姿勢についてお話をさせていただきました。武力によらない平和をつくるというキャッチフレーズでやっているんですけれども、安倍政権の集団的自衛権の行使を前提とする積極的平和主義、プロアクティブ・コントリビューション・ツー・ピースではなく、私の積極的平和、これは平和学で言うところのポジティブピース、平和創造のあり方を推進していきたいというふうに私は思っているんです。

 そういう私の姿勢から、共同記者会見で言われた、我々のアプローチの本質は力による平和だというこの言葉、これはトランプ大統領の言葉でありますが、この力による平和という考え方は日米両政府で共有されているのか、共有されているとすれば、具体的にこの力というのはどういうことを言っているのかということについて御説明をいただきたいと存じます。

 

河野国務大臣 トランプ大統領のこの発言は、盤石な日米同盟のもとで、日米が緊密に連携し、地域の平和と安定に向けてともに取り組んでいこうという考えを示された言葉というふうに理解しております。

 

山川委員 ありがとうございます。

 そうすると、具体的に、その力というものが何か具体的なことを指しているということではないということの御答弁だったというふうに理解をいたします。