選択的夫婦別氏制度について

2019年10月23日法務委員会より

山川
山川

 立憲民主党の山川百合子でございます。

 

 法務委員会は初めてでございます。大臣の所信をお伺いいたしまして、私も、大臣のもとでいろいろとぜひ進めていただきたいなというふうに思ったことがいろいろございまして、例えば、虐待や差別のない社会の実現に向けて取り組みますと、さまざまな人権問題を第一に挙げておられること、また、多文化共生社会の実現に取り組みますと、在留外国人への対応のみならず、適正かつ迅速な難民の保護にまで言及をされていること、そしてさらには、来年四月に開催される、先ほどもいろいろありましたけれども、国連犯罪防止刑事司法会議、通称京都コングレスでございますが、これを控えて、我が国の諸制度、諸法規、また法務行政全般にかかわる課題解決に向けて国際的な視野で取り組まれようとされている姿勢に、私も大変共感をしたということを先に申し上げさせていただきたいと存じます。

 

 そして、その上で、幾つかの大きな課題について、私にとりまして最初でございますので、法務大臣となられた河井大臣の御見解、御所見等をるるお伺いをしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

 

 まず初めに、選択的夫婦別氏制度の導入についてお聞きをしたいというふうに思います。

 

 この選択的夫婦別氏制度を導入する民法一部改正案については、我が党も提出の会派となって提出をしております。

 

 この問題は、平成二十七年十二月に最高裁の合憲判決が出され、導入の議論については国会に委ねられているというふうに思いますが、国会での議論は必ずしも活発であるとは言えないように感じております。

 

 国民の中で意見が分かれているということが政府の見解でこれまであったというふうに思うんですが、昨年公表された世論調査、夫婦が婚姻前の名字を名乗ることを希望している場合には、それができるように法律を改めても構わないという回答が四二・五%と、その前の調査と比較をしても七%ふえているという、過半数に届こうかというような、状況が変化してきているというふうに思います。

 

 少し長くなりますが、賛成、反対、いろいろ議論はありますけれども、日本の伝統的な家族の形態が損なわれるという危惧がしばしば指摘をされていることは私も承知をしておりますが、先ほども山尾先生の質問でもありましたが、家族の形態というものが今大きく変わりつつある、世界的にも、また日本の国内でも変わりつつあるのが現状ではないか。核家族もふえて、また一人親世帯もふえてきている。

 

 もはや、この選択的夫婦別氏の制度の導入が日本の伝統的な家族形態を壊す原因になるということは、こういう論理は現状を考えると成り立たなくなってきている現状があるのではないかな。現実の方がはるかに速いスピードで変化しているというふうに私は見ていて、国民がその変化を感じ取っているのではないかなというふうに思います。

 

 むしろ、働く女性たちにとっては、結婚後も旧姓、旧の氏で働くことができること、男性と同様に認められること、このことが男女平等の観点からも求められていることではないかなと私は思います。

 

 もちろん、法律上は両性に認められている、どちらを名乗るかはカップルで決めるということは書かれていますけれども、実際はほとんどが男性の姓を選択するというか名乗っているということが社会通念であるということを踏まえれば、果たしてこれが、今の法の趣旨が男女平等という点においてどうなのかという疑問を私は持っているわけであります。

 

 そこで、最初ですので、大臣の御見解、御所見を伺っておきたいんですが、家族の一体感がなくなるですとか、日本独自の家族形態の崩壊とか、あるいは子供への悪影響とか、これらは私は杞憂にすぎないのではないかと思っているんですが、大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

 

河井国務大臣
河井国務大臣

 今、山川百合子委員御指摘のとおり、民法第七百五十条に、「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。」というふうに規定されておりますので、選択的夫婦別氏ということで答弁をさせていただきます。

 

 この制度の導入の問題は、我が国の家族のあり方に深くかかわる事柄でありまして、慎重な検討を要するものだと考えております。先ほども御紹介いただきました平成二十九年の世論調査の結果を見ても、国民の意見が大きく分かれている、そういう状況であると認識をしております。

 

 今後も、引き続き国民各層の意見を幅広くお聞きをしていく、同時に、国会における議論の動向を注視しながら慎重に対応を検討してまいりたい、そう考えております。

 

山川
山川

 今までの政府の御答弁のとおりというふうには思うんですけれども、家族の形態が変化してきているという世界的な流れがあると思うんですね。

 

 もちろん、我が国の家族形態にすごく重大なことだということについては、おっしゃられることは理解をいたしますが、それよりも世界の現実が大きく変化していて、先ほどもちょっと言いましたが、大家族が核家族に、核家族が一人親家庭に、先ほど山尾先生の質問にもありましたが、パートナーとの婚姻はしないで子供を持つとか、あるいは同性婚が認められるとか、世界の潮流、世界の流れがあると思うんですね。

 

 その流れというのは、もう日本もその流れから無縁でいることはできなくて、片側で伝統的な家族形態というのが日本にはあるというのはありますが、流れをとめることができないのではないか、制度が現実に逆に追いつかないのではないかということが懸念をされるわけですが、その点について、大臣の御見解はいかがでしょうか。

 

河井国務大臣
河井国務大臣

 今、現実のお話をされましたので、結婚前の旧姓の通称使用、これが現実に今どこまで拡大されているかということを御紹介させていただきます。

 

 政府におきましては、これまで、婚姻によって氏を改めることによる社会生活上の不利益や不都合があるといった御指摘、あるいは、先ほどから御指摘いただいているように、今日の社会が多様化しているということなどを踏まえまして、旧姓の使用を望む方がそれを使用することができる機会の拡大に向けた取組を進めてきております。

 

 具体的に申し上げますと、まず、来月、十一月から、マイナンバーカード等への旧姓の併記が可能となります。それから、旅券への旧姓併記の拡大に向けた検討を今行っております。

 

 加えまして、各種の国家資格、免許等への旧姓使用の拡大を既に措置済みということでありまして、具体的には、医師、建築士、税理士、美容師、弁護士などがそれに当たります。

 

 さらに、銀行口座等における旧姓使用に向けた働きかけなども現在行ってきております。

 

 これからも引き続き、国や地方や企業などが、それぞれの部門において旧姓を通称として使用できる機会を拡大するための措置を適切に講じていく必要がある、そのように認識をいたしております。

 

山川
山川

 ありがとうございます。

 

 旧姓使用を拡大できるように取り組んでいるんだという御答弁はわかります。ぜひそれは進めていただきたいという思いもありますけれども、やはり、私としては、選択的でありますから、別にこの選択的夫婦別氏制度を導入しても、選択しないだろうというお答えの方も結構たくさんいるわけですよね。

 

 ですので、このことが、選択ができる、それを望む方は別氏を名乗ることができるという、選択、多様性を認める制度として、ぜひ大臣には前向きに取り組んでいただきたいなということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。