TPP11協定について

2019年6月5日 外務委員会より

では、もう少し進めていきたいんですが、この貿易交渉について、TPPの水準が最大限であるという日本側の立場についてなんですが、トランプ大統領がそのように、同じように本当に考えているのかという点についてでございます。

 安倍総理は、日米共同声明を大前提に日米双方にとってウイン・ウインとなる合意とする考えであるというふうに記者会見で答えたわけであります。これは、記者の質問としては、農産品の関税についてはTPPの水準が最大限であるという日本の立場に変わりはないかという質問に対してのお答えです。

 これに総理がお答えになっているところに、トランプ大統領が割り込むような形で、私はTPPとは関係がありませんというお答えがありました。

 日本側はTPPの水準が最大限であると説明をし、昨年の共同声明では、「日本としては農林水産品について、過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限である」という日本の立場を尊重することが明記はされています。しかし、その共同声明にはどこにもTPPという言葉はありません。

 それで、では、安倍総理とそしてトランプ大統領の間で、そのTPPの水準が最大限であるという点について、本当に共通のところに立っているのかというところが懸念をされるわけであります。むしろ、トランプ大統領が共同記者会見でおっしゃったことというのは、アメリカ側は貿易交渉においてTPPの水準に縛られないという主張と捉えるのが自然ではないかというふうに思われるわけであります。

 そこで、確認というか質問したいわけですが、TPPの水準が最大限であるという日本の立場はしっかりと米国にも理解をされているのか、この点についてお伺いをしたいと思います。

 

清水政府参考人 お答えいたします。

 昨年九月の日米共同声明では、今お話がありましたとおり、「農林水産品について、過去の経済連携協定で約束した市場アクセスの譲許内容が最大限である」というふうに明記されているところでございます。

 そして、過去の経済連携協定で最大水準のものはTPPと日本としては考えており、その旨をアメリカ側に説明しているというところでございます。さらに、今後の交渉でもこの立場は変わらないとアメリカ側に伝えております。

 

山川委員 ありがとうございます。

 そうしますと、アメリカ側にはちゃんと伝えているので、ちゃんと理解はされているということだと思います。ありがとうございます。

 それで、もう少し伺いたいのは、アメリカのTPP12協定への復帰の見通しと、そして、11協定におけるいわゆるTPP枠の見直しを行う必要性について伺っておきたいんです。

 11協定では、農林水産分野に関する市場アクセスについてはアメリカも署名した12と同じ内容とされていて、牛肉の輸入に関するセーフガードに関しては米国からの輸入量を考慮した基準である、また、バターや脱脂粉乳等TPP枠についても米国からの輸入量を含めて設定された数量のままになっています。

 また、TPP11協定第六条には、米国が復帰した場合あるいは復帰しないことが確定した場合などを念頭に、協定を見直す規定が盛り込まれています。

 それで、会談の前、五月八日の衆議院の農林水産委員会においては、アメリカがTPPに戻る可能性があり、日米貿易交渉と並行して協議を進めている状況である、そういう御答弁もございます。ただ、トランプ大統領の訪日と会談があって、事態は変化しているのではないかなというふうに思います。

 そこで伺いたいんですけれども、政府は、現段階においてもアメリカがTPPに戻る可能性があるという認識をお持ちかということ、そして、アメリカがTPPに戻る可能性がないと判断されるのはどういうケース、どういうふうになったらTPPに戻る可能性がないというふうになるのか、どういうケースを具体的に想定しているのかということ、そして、物品貿易協定が署名された場合は、アメリカがTPPに戻る可能性がないという場合に相当するのか、さらに四点目として、物品協定が発効した場合において、TPP11協定が見直されないまま両者が併存するということもあるのか。この四点についてお伺いをしたいと思います。

 

清水政府参考人 お答えいたします。

 まず、アメリカの復帰の見込みでございますけれども、現時点で、政府といたしましては、アメリカがTPPに復帰する見込みがなくなったわけではないと考えているところでございます。我が国といたしましては、最終的にアメリカがTPPに復帰することが日米両国にとっても最善であると考えておりまして、その旨を伝えているところでございます。

 それから、今後の日米の貿易交渉につきましては、具体的な交渉はこれからまさに始まるところでございます。現時点では、貿易交渉の個別の事柄について何も決まっていない段階でございまして、御理解を賜りたいと思います

 

山川委員 では、どういうときに協定の見直しを行うか、どのタイミングで見直しをするのかしないのかということを決めることもまだ、どうするかも、こういうときにこういうという想定もされていないというようなお答えになるんじゃないかなと思います。

 もちろん、一番のポイントというか関心事というか懸念は、TPP11で妥結した輸入枠の範囲を超えるようなことがないというところが一番大事なことでありまして、私も昨年、本会議質問をする機会もいただいたんですけれども、アメリカにはまた特別枠を設けるということがないように、TPPの水準が最大限だということはおっしゃっていますが、全体としてというようなお言葉も入ったりして非常に曖昧で、関係者の方々も非常に不安に思われているというふうに思います。

 河野大臣は、首脳会談の後に行われた参議院の外交防衛委員会の中で、日米共同声明ではTPPの枠組みの中で合意をする、それを目指して交渉することになりますというふうにも御答弁をされているんですが、TPP11でのTPP枠の範囲を逸脱した輸入枠の拡大はしないという御答弁がぜひあるといいなというふうに思うわけですが、今後の交渉に臨むに当たっての我が国の姿勢というものについて大臣からお伺いしたいと思います。

 

河野国務大臣 共同声明に基づいて、今、茂木大臣とライトハイザー通商代表が交渉をしているところでございます。国益に沿った形でしっかりとした交渉が行われ、なるべく早期に合意が行われることが望ましいと考えております。

 

山川委員 ありがとうございます。