県議会レポート

県議会レポート 2015年 2月号

500名を超える皆様方にご参加頂きました!!

2015年2月11日(祝・水)上田きよし埼玉県知事をお迎えして、県政報告会を開催しました!

県政報告会の内容をダイジェストでご紹介

司会 今日は「対話によって政治が動く」ということを皆さんに実感として感じてお帰りいただきたいのです。身近な皆さんの声が、埼玉県議会の本会議というところで議論されることが、実は埼玉県を動かしているんだ、日本を動かしているんだという実感を持って頂ければ、政治が非常に身近に感じられるのではないかと思います。
 さて、上田きよし知事も山川百合子議員も、今年は三期十二年の任期を務めあげるという節目の年です。お二人にはご自身の十二年間を振り返って、政治家としての思い、どのような気持ちでやってきたのかをお話し頂けますか。
知事 私は国会で十年二カ月、衆議院議員をやってきたのですが、役所というのは基本的にはまじめにやっていればそれで済むという悪い文化があります。成果を出さなくても免罪符を与えられているんです。そこが企業とは違う。
 かつて埼玉県は検挙率が日本で最下位、そして日本で三番目に犯罪の多い所でしたが、現在の検挙率は四十五位から二十五位に上がっています。埼玉県の警察官の数は人口比で一番少ないのにです。
 行財政計画をしまして、一万人の県民に対して十一人で仕事をしている。多い県は五十一人、平均で二十二.八人ですから、その半分の人数で仕事をしても成績がどんどん上がっています。また、埼玉県は天下りを廃止し、民間から色々な人を連れて来た。おかげで埼玉アリーナや浦和競馬など、ほとんどの所が黒字になりました。つまり、成果を出す行政というのをすごく意識してきたわけです。

光のあたりにくい現実に目を向け、「声なき声」に耳を傾け課題解決へつなげていく

山川 この十二年間、三つのスタンスで政治活動を続けてきました。最も大切にしたのは、声なき声をしっかり拾い上げて、その方たちが抱えている課題を政策的な課題解決につなげていく、それが一つ目です。政治に携わる前は、貧困や紛争のある国で支援活動をしていたのですが、住む所も食べ物もない状況などは目に見える苦しさです。しかし先進国である日本社会の中では、人には言えない、目に見えない問題を抱えている方がいます。そういう声を拾いあげて政治の場で解決したい。そういう思いで続けてきました。
 二つ目は、政治の常識と一般社会の常識に隔たりがある。一般の感覚や常識が当たり前のように政治の中で行われていくように議会改革に取り組んで参りました。
 三つ目は、私は草加から選出されているわけですから、草加の代表として県で発言することにより草加に光を当てていこう、目を向けてもらおうということでした。

司会 続いてですが、お互いの印象、評価をそれぞれ語って下さい。

知事 山川議員の本会議の質問の印象は、光の当たらないところに光をということではないかと感じます。一般的には、選挙を意識する人たちは裾野が広いところに光を当てると。でもそういう人たちは、もともと強い人たちが多いんですね。光をあまり当てなくてもしっかりやっているんですよ。弱い人や光の当たらない人たちは票につながらない。でも、そういう人たちに光を当てているというのが私の山川議員に対する印象です。大事なことだと思います。少数派のためにしっかりやる。多数派は黙っていても議会なんか頼まなくてもしっかりやっているんですよ。だから少数派、弱い人のためにしっかり政治をやるというのは、とっても大事なことだと思います。

山川 上田知事は私が議員になってから五カ月あとでしたが、上田知事になってからはガラリと変わり、気さくに率直に議員や県民の皆さんとも接していらっしゃる姿に、知事という埼玉県を一手に背負う立場であるにも関わらず、こんなに気さくなんだなと、まずは人柄として知事のありように親しみを感じました。
 それから失礼な言い方ですが、根性があってすごいなと思います。衆議院議員になられる前の長い道のり…四回落選されても挑戦しようという政治に対する強い思いというのはすごいなと思っています。そして先ほども数字を出されて話されていらっしゃったように、成果を出すということにご自身をコミットされている。

司会 知事の座右の銘は「疾風に勁草を知る」。意味は、暴風が吹いても絶対に飛ばされることのない、本当に強いものだけが風雨に耐えて残るという信念でやっていく、またそういう人を信じてしっかりと支えていこうという思想ですね。
 就任以来、「埼玉から日本を変える」ということで活躍されているお二人に、埼玉から日本に発信したいこと、もしくはしてきたことをお聞かせください。

知事 たくさんありますが、直近では、生活保護費の問題。二~三年前から大きくクローズアップされていますが、皆さんの給料が減って生活保護費は高すぎるのではないかという金額の問題、そして不正受給の批判がありますが、私のまわりではそれよりもっと大事なことがあると。それは、生活保護を受けている家庭の子供の二十五%がまた生活保護を受けるようになるという事実。こっちの方がもっと問題じゃないかと考えました。
 現在、高校進学率九十七~九十八%。ところが生活保護の子供たちは八十五%とかで、十五%近い子供たちがチャンスを失う可能性があるんですね。資格試験を受けたくても高卒ではないからと入口でシャットアウトされてしまう。スタートラインではじかれるようなことはあってはいけないと、県の費用で学習塾を作り教職員のOBと学生ボランティアにお願いして特養や障害者の施設などの集会室や食堂を借りて子供たちに無料で勉強を教えたのです。その結果、この子供たちは非保護世帯の子供たちと同じ比率で高校に行けるようになりました。この子たちは将来生活保護世帯にならない可能性が高いのです。
 すると厚生労働省が「これです!」と全国の自治体に「埼玉県に学びなさい」ということで問合わせが殺到しているのですね。いいことは連鎖させてもいいけれど、悪いことは連鎖させてはいけないということですね。誰でもチャンスがある社会。うまくいかなくて失敗した人にもチャンスがある社会を作ることが政治の力だと思います。

司会 ありがとうございます。目が開かれますね。生活保護をなくすために教育。根本的な問題解決に何が繋がるのかという視点にまさに日本再生、埼玉イニシアティブ、埼玉がリードしていくということに取り組んで来られたわけですね。では山川議員お願いします。

地域に新しい命を!少子化対策は、不妊の知識を広めることから

山川 議会報告で紹介していますが、不妊というのは女性の体の一部に病気があってなるものでは決してないんですね。実は六組に一組のご夫婦が医療機関で診療や治療を受けていると。これは驚異的な数字だなと思います。女性の活躍が進み、結婚の年齢が上がっているという傾向が日本社会にはあります。私自身も結婚が非常に遅くて四十歳だったわけですが、今は三十代に入っても結婚しない方も多くいらっしゃいます。あるいはキャリアを積んでからとか、今子供が生まれてしまうと、子育てとの両立が難しいからもう少し後にしようなどと思っているうちに年齢が上がってしまう。
 子供を産める年齢というのは、いまの日本の通念より実は非常に低い年齢が出産適齢になります。具体的には三十五歳と言われています。三十五歳を過ぎると妊娠する確率がぐっと下がります。医学に関わる先生方の間では常識になっていますが、一般にはあまり知られていないという現状があります。
 世界的にみると、日本ほどこのことに関して知識がない国はないとさえ言われているほどです。子供が欲しいと思った時には男性側も女性側も「卵子の老化」や精子の機能低下などにより、思うようには産めないことがある、という現実をまず知って頂きたいということで、予算委員会で知事に冊子を作って欲しいとお願いしました。
 知事も、これほどまでに子供が出来る確率が下がっていくのかということに衝撃を受けて、つい二週間ほど前に冊子ができました。この冊子は県内で婚姻届を出される方にお配りする訳ですが、全国にも例のないことだと思っています。
 婚姻届を出される方に、赤ちゃんは欲しい時に必ずできるわけではないこと、そして現実を知った上で、ご自身で選択をしていって下さいという、十二ページのマンガ形式の啓蒙冊子です。
 そして昨年の議会では、男性不妊についても助成を行って欲しいと提案しました。実は不妊の原因の半分は男性側にもあるんですね。現在は保険適用でない不妊治療、一回に三十万から八十万円位かかるんですが、これに埼玉県が女性をつけてくれれば、国をも動かしていくことに繋がっていくと思います。

司会 非常に具体的な話になってきたので、知事からもお話しを伺いたいのですが、どうしてこの問題が日本全体に関わる問題かと言いますと、少子高齢化と言われていて、高齢化の問題ばかり目につくのですが、実は子供が生まれないというのがどれほど大きな問題なんだろうと。
 若い時は避妊をして過ごし、いざ子供が欲しいとなると不妊になっている。このことを誰も教えてくれなかったんですね。避妊は教えても不妊は教えてくれない。ヨーロッパでは、不妊治療が保険適用される国もあり、気軽に治療が始められるのに、日本では個人負担が大きい。その点を知事に伺いたい。

知事 シルバー民主主義という言葉がありまして、シルバー民主主義が国を滅ぼすなんて言葉もあるんですよ。高齢者の方が投票率が高いもので、高齢者対策は政府も自治体も熱心にやるけれど若い人対策はあまりやらない。その中のひとつだと思いますね。子宝という言葉がありますが、我々の子供は親にとっての宝だけでなく、社会にとっても宝だという認識を皆が持つ仕掛けだとか教育だとか文化を作らないと少子化に歯止めがつかない。そして不妊治療の課題もある意味では少子化対策でもあるんですね。
 山川議員が不妊治療をしているということを議会で取り上げたとき、議会はシーンとなりました。そして自民党の男性議員からも「実は私も治療している」という話を聞きまして、まさにさざ波のように波紋が広がっていったんですね。こういうことが議会を通じて公のものになっていくんですね。具体的に予算化することで、それがまた国会を動かし、さざ波がさらに大きくなっていく。そういうことが日本を変えるということになっていくんですね。

司会 時間がなくなりましたので、山川議員からも一言

山川 みなさんの声を聞き私が議会で発言することにより、こんなに政治は動いていくんだということを上田知事との十二年間を通して実感しています。電車の優先席にマタニティマークが貼られることになったのも、私が議会で質問して知事にお願いして鉄道会社に掛け合っていただいて実現したものなんです。
 また、東京スカイツリーが出来て、誘致合戦に敗れた埼玉県としては、質問自体がタブー視されていたんですが、草加、越谷、春日部などにとってはスカイツリーは大事な観光資源になるということを知事がしっかりと受け止めて下さったことで物事が動き出していったんですね。
 政治というのは、今日なにかやったことが明日変わるということはありませんが、みなさんが抱えている困りごとや直面していることが、実は個人的な課題ではなくて社会の課題なんだということを議会で取り上げ、それを受け止めて下さる方がいるという中で政治が動いていくことを今日皆様に少しでもお伝えできたとすれば、本当にうれしいなと思っております。
 本日は、本当にありがとうございました。

県政報告会・来賓ご挨拶風景

激励のメッセージを頂きました!一部を割愛してご紹介します。

細川 律夫 元・厚生労働大臣

 今日の知事と山川県議の対談は素晴らしい内容だったと思います。このような県政報告会は今まで経験したことがありません。県の執行部の最高の知事と県議会議員がどのようにして地域や埼玉をよくしていこうと、どういう形で物事が進んでいくかということが、今日の対談で皆さん方も理解できたのではないかと思います。
 そういう中で議会の山川さんの発言なり地域での行動なりが、いかに強い影響力を持って県政に影響を与えているか、国の方までも大きな力になっているかが今日の対談でよくわかりました。
 最後に山川さんがお話しになったスカイツリーのことでお話し申し上げたい。スカイツリーの誘致合戦というのはものすごいものがありました。私は当時、国会議員をやっておりましたから、埼玉県の超党派の国会議員で埼玉の新都心へ設置をして欲しいと、総務省やテレビ局へ陳情に行っていました。埼玉県も、県をあげてすごい陳情を行っていました。
 東京の方は浅草や池袋などが候補になっていて、そことの競争で激しい陳情合戦を繰り広げました。
 結局は浅草に決まり、大変なショックでみんなガックリでした。だから決まった後は、国会でも県会でも一切この問題には触れないというのが暗黙の了解でした。
 そういう中で、山川さんは誰も触れたくない時に議会で「スカイツリーには日本全国、世界から観光客が集まる。その方たちを東武沿線に誘致するのが大事ではないか」という趣旨の質問をしたわけです。
 議会からは大ブーイングだったそうです。それを我慢して質問したんですが、知事も大したものだと思いますね。普通ならガックリきている時にそういう質問が出たら、「それは草加や越谷の自治体に頑張っていただくのが筋でしょうね」と答弁するのですが、上田知事は違った。
 よく質問してくれたと、山川さんにむしろ感謝の言葉を言って、県としても協力しましょうと。その後、草加の松並木の事業を初めとして色々な事業が進んで行っているわけです。このことひとつを取っても、山川さんは素晴らしい議員の資質を持っていると思っております。
 山川さんには草加の代表としてはもちろん、埼玉県にとっても数少ない女性議員の中では一番のベテランですのでぜひぜひ見解議員を続けて欲しいと思います。

山川百合子の提案とその成果の一部をご紹介

妊娠・不妊の知識普及を!

冊子が出来ました!
「願うときに『こうのとり』は来ますか?」
埼玉県内の市・町に婚姻届を出すカップルに配布されます

男性不妊治療に県が助成スタート!

「赤ちゃんがほしい」と願いながら、なかなか授からず検査や治療を受けているカップルは、なんと6組に1組。
不妊、という言葉は女性の問題だと受け取られがちですが、実は不妊の半分が男性に起因するのです。女性たちがつらい不妊治療を続けながら、原因は夫の方にあった、というような悲劇を招かないために、山川百合子はこの問題を議会で取り上げました。男性が95%を占める埼玉県議会の本会議場がざわめく中、勇気のいる発言でした。
しかし!!埼玉県は、全国にさきがけて男性不妊の問題に光をあてることになりました!

25万円の助成が受けられるように!
 特定不妊治療助成 上限15万円+(新規)男性不妊治療(精子採取術) 上限10万円

再生可能エネルギーの活用

資源が枯渇することのない、再生可能エネルギーの積極的活用を提唱してきました。太陽光パネルはもちろんですが、「地産地消」の潜在的エネルギーとして、地中熱の活用も提唱してきました。

県が地中熱・水力・太陽熱等の未利用エネルギーの可能性を調査。既設の井戸を用いた地中熱利用システム実証実験をすることになりました。

地域包括ケア課の新設

「身体が不自由になっても住みなれた自宅・地域で暮らしたい」多くの方々の共通した願いです。国の進める「地域包括ケア」システムを、県として積極的にサポートすることを提唱してきました。

来年度に県が「地域包括ケア課」という課を新設する、という大きな決断をしました。

マタニティマーク

「命を大切にする埼玉県」であってほしいとの思いから、6年前に「マタニティ・マーク」の普及、特に公共交通機関の協力を得ることを提唱しました。

現在、東武スカイツリーラインをはじめとする鉄道各線の優先席に、マタニティマークが貼られています!さらに、埼玉県のウーマノミクスの取組を宣伝する「アタックNo.1」の車両ラッピングも実現。

発達障害児・者への支援

山川百合子は10年前、発達障害児者の支援の充実を訴えました。

その後、予算の拡充が行われ、来年度は約5億7000万円を計上、6ヶ所の療育センターの新設をはじめとする様々な分野での取り組みに拡大しています。

自転車の利用のしやすい街を!

山川百合子の「マイカー」であった自転車。毎日に生活実感の中から、自転車の利用のしやすい街をつくるための、道路環境の整備、駐輪場対策、マナーアップを提唱してきました。ました。

その後、予算の拡充が行われ、来年度は約5億7000万円を計上、6ヶ所の療育センターの新設をはじめとする様々な分野での取り組みに拡大しています。

埼玉県政 知っ得!情報 新年度予算(案)に計上!

【挑戦】最先端!水素エネルギーの燃料電池自動車購入に県が助成100万円!
平成27年度 予算額230,337千円
<補助額>100万円/台×100台

【充実】子どもの救急電話相談#8000が9時~翌朝7時から27時間に!

【期待】11月15日(日)埼玉県で国際女子マラソン開催!

【提案が実現】25万円の助成が受けられるように!
特定不妊治療助成 上限15万円
+(新規)男性不妊治療(精子採取術) 上限10万円

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