質疑

放課後子ども総合プランの推進について。

2018年2月23日 予算委員会第四分科会質疑より

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山川ゆりこ

放課後子ども総合プランの推進についてお伺いをしたいと思います。これは、教育改革全般についての提言も含めて問題意識を共有化したい、そういう意図からお伺いをいたしますので、どうぞ大臣にもよろしくお願いいたします。

 小学生の放課後対策には、以前から、学童保育と呼ばれた厚労省所管の放課後児童クラブと、文科省所管の放課後子ども教室があるわけでありますが、ここでも、対象児童へのサービスを、福祉と教育という異なる観点から別々の行政組織が担っておられるわけであります。しかし、実際にそのサービスを受ける子供たちの立場からは、そのような明確な違いはないというふうに思います。

 子供たちの放課後を質の高い時間と空間に変革していくことで、子育てを支援するばかりでなく、子育ちを力強く応援していく社会をつくり出していくべきではないかというふうに思っております。

 そこで、まず、放課後児童クラブの現状はどうなっているのかをお伺いいたします。

 待機児童数はどのような傾向であるのか、運営主体につきましても、NPOなどの参画もあり、また公設公営、公設民営など多様な形態がありますし、また、設置場所も、学校であることが一番望ましいわけではありますが、それでも児童館や学校外への設置例もあります。ですので、運営実態についてお伺いをしたいと思います。

 さらに、待機児童対策を推進していく上で、定員の大規模化にも対応しながら、多様な運営実態を想定した、児童クラブ設置のための補助制度はどのような予算規模で行おうとしているのか、お伺いをしたいと思います。

 これは、厚労省から御答弁をいただきたいと思います。

 あわせて、放課後子ども教室の現状はどうなっているのかをお伺いをしたいと思います。

 現時点で放課後子ども教室の実態は、恐らく、一週間当たりの実施日数や時間は週に二、三日程度などと、まだかなり限定的だと思いますが、しかし、制度的には、これは一日四時間、そして年間二百五十日までは実施できるというふうに伺っているわけであります。つまり、学校のある日は実質的には毎日実施できるというような制度設計になっているはずでありますが、であるならば、これは毎日実施できないものか。

 これは生涯学習局長さんにお伺いをしたいというふうに思います。お願いします。

 

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成田政府参考人

お答え申し上げます。

 放課後児童クラブの現状につきましては、平成二十九年五月一日現在、児童クラブ数が二万四千五百七十三カ所、登録児童数が約百十七万人、待機児童数が一万七千百七十人となっております。

 設置・運営主体別のクラブ数の割合につきましては、公立公営が八千六百六十二カ所で三五・三%、公立民営が一万一千百七十六カ所で四五・五%、民立民営が四千七百三十五カ所で一九・三%となっております。

 設置場所につきましては、学校の余裕教室が七千二百三十一カ所で二九・四%、学校敷地内の専用施設が六千四十カ所で二四・六%、児童館が二千六百十七カ所で一〇・六%などとなっております。

 予算につきましては、平成三十年度予算案におきまして、受皿の拡充等により、対前年度七十四億円増の七百九十九億円を計上しており、年々増加傾向となっているところでございます。

 

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常盤政府参考人

お答え申し上げます。

 放課後子ども教室でございますけれども、その実施要領におきまして、学校の稼業日数を勘案いたしまして、原則として年間二百五十一日未満まで積算をするということは委員御指摘のとおりでございます。そのことによりまして、制度上はほぼ毎日実施することということも可能でございます。

 その際に、放課後子ども教室につきましては、全ての子供たちに学習や体験あるいは交流活動の機会を提供するという趣旨から、地域のさまざまな方々の参画を得て成り立っているというものでございますので、やはり実施に当たっては地域の人々の協力が必要であるということから、それぞれの地域の実情を踏まえて適切な実施をお願いしているというところでございます。

 

 

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山川ゆりこ

ありがとうございます。

 学童の方は、予算を毎年増額していただいているということで、更に進めていただきたいと思います。お願いいたします。

 また、放課後子ども教室の方なんですが、制度設計としては一日四時間、二百五十日までできるんだけれども、地域の方々の御協力をいただいているので、事情もありますので、なかなか簡単でもありませんという意味だと思うんですが、御答弁としては。

 ただ、この放課後子ども教室を実質的に毎日実施することができれば、学童の待機児童というのはたくさんいるわけで、もちろん学童と放課後子ども教室の役割は違うとはいえ、しかし、その補完的というか機能も果たせるというふうに思いますし、また、習い事や塾と曜日が重なっても、毎日あれば、全ての児童が放課後の時間を充足させるためのインセンティブを保障されることになるというふうに思います。ぜひとも積極的に実施できるようなプログラムを充実させていっていただきたいと思っているんですね。

 そこで、そのために提案なんですけれども、大臣に伺っていきたいんですけれども、政策提案として、ぜひ、この日本の特に公教育の質を飛躍的に高めるための真剣な提言でございますので、どうぞ大臣には受けとめていただいて、前向きな御答弁をいただきたい。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 どういう提案かといいますと、まず、放課後子ども教室に積極的に教職志望の大学生をボランティア指導員として引き入れることはできないかという提案でございます。

 これにより、教職志望の大学生の教師としての適性が開花し、その経験が教員となった後も大いに生かされることになると思います。このボランティアを大学が単位認定する、また教員採用試験でも評価項目として加点されるなどすれば、大学生にとっては大変大きなインセンティブになると思いますし、さらに、教員採用試験では評価し切れない教師としての適性や資質を見ることにつながるというふうに思います。将来の教育界を担う人材を幅広く育成することにもつながりますし、何といっても、ボランティアですから、財政負担も最小限に抑えられると思うんですね。御検討いただきたいと思います。

 さらに、またあわせてお願いなんですけれども、この放課後子ども教室を毎日実施をしようと積極的に取り組んだ市町村については、みずから実施したこの教室の果実として得た将来有望な教職員となる見込みのある人材を、独自にその市町村の公立小学校で採用することができる採用枠というのを設置していただきたい。

 このことによって、市町村でも積極的に地域の教育力の向上を目指す画期的な制度とチャンスを手にすることができると。これは、自治体議員としての経験から切実に思っているんですね。ぜひ大臣の前向きな御答弁をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

 

 

 

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福井主査

林大臣、簡潔にお願いいたします。

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林国務大臣

 ちょっと時間が限られてまいりましたので、簡潔にお答えをしたいと思います。

 まず教員養成課程の学生、ボランティアでということで、既に御指摘がありましたように、いろいろなところで実際にそういうことが動いておりまして、教員免許取得のための単位として認めている大学もあるということでございますし、我々の方も、教育職員免許法施行規則を改正しまして、学校体験活動として明確に位置づけて、教育実習の単位の一部に置きかえることができるということになっておりますので、こういうことも含めて、しっかり進めてまいりたいと思っております。

 それから、採用の方でございますが、これは一義的には、市町村立学校の教職員の採用は、都道府県・指定都市教育委員会が任命権を持っておりますので、そこで、提出書類に自己アピールやボランティア活動について記載する欄が設けられておりますほか、この放課後子ども教室における活動を継続に行っている者を対象として、いろいろなものを免除したり加点する制度を既に設けている教育委員会もあるということで、名古屋市では、トワイライトスクール、トワイライトルームで子ども指導員、学生ボランティアなどの活動をしている者に対して、平成二十七年、二十八年度は一部試験科目の免除、平成二十九年度、一部試験科目の加点ということを実際行っておられるということでございますので、こういう取組をいろいろなところでやっていただくように促してまいりたいと思っております。

 

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山川ゆりこ

ありがとうございました。

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