質疑

不妊専門相談センターについて

2020年2月25日 予算委員会第5分科会質疑より。

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山川分科員

 御認識をいただいているということで、本当にぜひ適切な支援に更につなげていっていただきたいなという思いで、この後を続けさせていただきます。

 私は、自分が治療してきたということもありまして、幾つも医院も回りましたし、クリニック、医院の状況というのはさまざまなんだなということは私の経験としてよくわかっているつもりであります。

 私の話になりますけれども、少しさせていただきますと、私は四つの医院に行きました。最初は、どうしていいのかわからないですから、ネットで検索をしまして、何となくよさそうかなと思ってまず行ってみますと、まず最初に言われたのが、あなたは非常に遠いですよ、不妊治療って大変なんですよ、ここまで通い切れないと思いますよ、もう少し家から近い方がいいんじゃないんでしょうかと言われまして、今度は少し近いところに、どういうところがいいですかと、特に紹介するというわけじゃないんですが、こういうところがありますよねみたいな感じで、そこに行ってみました。

 そこに行ってみますと、非常に大きなところで、正直、規模に圧倒されましたし、非常に流れ作業的な治療でありまして、主治医の先生がつくわけでもなく、いろいろな不安がありますけれども、そこの御相談を丁寧にするというような状況ではなくて、流れ作業的に検査が行われて、そして、たくさん先生がいらっしゃいますから、そのときにあいている先生に面会して、いろいろ聞きたいこともあるんですけれども、なかなかそこまで時間をとっていただけない。たくさん待っていらっしゃいますから、余り時間をとるのもなという感じで、とにかく流れ作業的に治療を行っていくというような感じでありました。

 何となくそれでいいのかなという不安があって、周りのそういう治療をしているという話を聞くと、どこでやったとか成功したとかという話になっていって、ある違うところのクリニックに移りました。そこでもやりまして、またそこでもどうなんだろうというふうに思いまして、総合病院に行った方がいいんじゃないかと思って、今度は総合病院に行きました。

 そこでも検査をしたところ、私は甲状腺の値が悪いと言われまして、甲状腺の値が悪いと幾ら卵子がよくてもほとんど着床しないんですよと言われました。私はそれを初めてその病院で聞いて、今までそういう検査をしてこなかったなと。今まで採卵もして移植もしましたけれども着床しなかったという経験で、それだったらもっと早くその検査をしてほしかったし、甲状腺の値は薬を飲みさえすれば改善しますので、治療としては大変なことでは全くなかったんですけれども、じゃ、私のこの何年間は何だったのだという思いにさいなまれたわけであります。

 それは私自身も自分で経験してようやくわかったことでありますけれども、それ以来、私の周りのそういう人たちとの話になると、甲状腺の検査をしたかとか、そうなの、そんなの知らなかったといって、先生に聞いてみたとかということになるわけですね。これは私の経験でありますけれども、こういう経験をしている人たちはたくさんいらっしゃいます。

 それで、治療の現場がどういう医療を行っているのか、どういう基準を持って治療を行っているのかということが、いわゆる患者である私たちには全くわからないんですね。ネット情報、口コミ情報というんでしょうか、そういうところで、何となくこれでいいのかなと手探りでやっていくわけなんですけれども、こういったクリニック、それから医院等の現状について大臣はどのように把握をされているか、お聞かせいただければというふうに思います。

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渡辺政府参考人

 まず、私の方から現状について御説明をさせていただきたいと思います。

 まず、先生から最初に御指摘のあった、そもそもどういう医療機関とかを受けたらいいだろうということに関しましては、厚生労働省の方で、今これは七十六の自治体にございますけれども、不妊専門相談センターというところで事業を行っております。

 大体年間二万五千件ぐらいの御相談があるんですが、不妊治療を実施している医療機関の情報を求める方が千五百件ぐらい、それから、御指摘のありました検査とか治療の中身についての相談が四千九百四十五件、約五千件ぐらいということでございまして、我々は、こういうところに寄せられている情報というのをもう少ししっかり把握をしてきちっと整理をしていく必要があると思っております。

 それから、おっしゃられた医療機関の治療そのものの精度を上げていくということに関しましては、今は基本的に自由診療ですので、何か国の方でガイドライン等を出しているわけではございませんが、今年度の事業としまして、いわゆるAMED、日本医療研究開発機構の研究事業で、不妊症の解明とか、あるいは質の高い不妊治療も含めた生殖補助医療の研究開発に取り組んでいるところでございまして、こういったあたりの成果あるいは知見というものも治療水準の向上につなげていきたいというふうに考えております。

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山川分科員

 今やっていることがあるんです、もう少し実態把握もというお話なんですけれども、物すごい数の人が不妊治療をやっていて、そして多くの当事者たちが口をそろえて言うのは、本当にどうしたらいいのかよくわからないということなんですよね。叫びでもあるこの思いというものを加藤大臣がどのように受けとめていただけるか、加藤大臣から伺いたいと思います。

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加藤国務大臣

 今委員からのお話もありました、どこの病院に行っていいのか、あるいは、そうした中で、それぞれ病院ごとに、どう言ったらいいんでしょうね、治療のやり方と言っていいんでしょうか、あるいは時には治療の水準なのかもしれませんが、ばらばらであるというお話がありました。

 まず、先ほども局長から答弁させていただいたように、できるだけ情報を提供するということで、不妊専門相談センターを各都道府県、指定都市、中核市に配置をして、それぞれでそうしたセンター事業を実施をしていただいております。

 また、全体としての治療水準の向上は、我々としてはいろいろな研究事業の結果を提供させていただく、あるいは、それぞれ学会の中でもいろいろな御議論があるんだろうと思いますけれども、そういったことを通じてより高い医療水準、治療水準を目指していただく、これを我々としてもしっかり支援をしていきたいと思います。

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山川分科員

 ありがとうございます。

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