質疑

不妊治療における治療費の適正化について

2020年2月25日 予算委員会第5分科会5質疑より。

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山川ゆりこ

政府としてこれまで助成を拡充してきていただいていることは私もよく認識をしているんですけれども、ちょっと数字を、お配りをしている資料にもあると思うんですが、これは、FineというNPO法人、当事者の方たちが二〇〇四年に立ち上げて、二〇〇五年にNPO法人化して、当事者間のコミュニケーションとか医療機関への働きかけとかをやっている、御存じだと思います、政府への提言などもされていますので。ここが調査をかなり綿密にやっているんですね。

 ネットなどからも含めて五千人から集めるというような、かなり大規模な調査をしていますけれども、そこで出されているのが、治療費がだんだん年々上がっているという数字がこの資料にも示されていると思うんですけれども、顕微授精の平均治療費をお出ししていますけれども、二〇一〇年、一周期当たり五十万円以上かかっている、三二%だったのが、二〇一八年には何と六〇%にもなっている。

 助成をしていただくのはすごくありがたいんですが、自由診療で、私も自分の経験から、医療機関の言い値なんですよね。幾らと言われたら、わかりましたと言うしかなくて、言い値でかかるわけです。そうすると、助成を拡大はしていただいているけれども、実際、治療費が上がっている。この現状をどうごらんになりますか。これは大臣に、この数字を見ていただいて、どういうふうな印象をお受けになるか。

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渡辺政府参考人

先にデータ的なところだけお答えさせていただきますと、御指摘のございました今の助成費用、これは初回以外は十五万でございますが、これは平成十年の調査研究に基づくデータでございまして、このときは三十万から四十万ぐらいが顕微授精であれば平均的だということでつくっております。

 これにつきましては、直近の状況がどうなっているかというところは調べたいと思っておりますが、同時に、今御指摘ございましたように、これは自由診療ですので、まさに、例えば、実際の不妊治療以外にもいろいろな、その前の検査などをたくさんやっている医療機関とそうじゃない医療機関とでもいろいろ差があると思いますので、そういったあたりの、金額だけではなくて、もう少し具体的な中身というようなことも来年度の調査の中で調べていきたいというふうに思っております。

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加藤国務大臣

 基本的な考え方は局長から申し上げたところでありますけれども、委員御承知のように、これまでも、平成十六年からこの特定治療支援事業をスタートして、逐次対象の助成額を上げていく、あるいは男性に対する助成をメニューに入れる、また、令和元年度からは初回の男性の不妊治療費を十五万から三十万に拡充する、逐次拡充させていただいているところでありますので、今答弁させていただいたように、治療の実態を見ながらその方の経済的な負担を一部支援していく、こういう考え方にのっとってこれまでもやってきているわけでありますから、引き続き、そういった考え方によりながら、どういう形で支援をしていくということがいいのか、しっかり議論をさせていただきたいと思います。

 

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山川ゆりこ

ありがとうございます。

 支援の拡充をしていただいていることには本当にありがたいと思っておりますし、さらなる拡充によって、せめて経済的負担は軽減していきたいというふうに思うわけなんですが、片側で、やはり、自由診療であるがゆえに、非常に、今現在、医療水準の標準化というところにも課題があると思いますし、治療費の適正化というのにも課題があると思うんですね。

 そこで、当事者の方が大臣にも要望されていると思いますし、当事者から本当に声が上がっているのは、やはり保険適用に向けていろいろな課題を整理していく。

 このことによって課題が整理されていく、医療水準の標準化というのもなされていくというふうに思っているわけであります。

 きょうは時間が来てしまったので、この保険適用に向けて課題を整理していくということをぜひ政府の今後の検討の中に入れていただいて、本当に適正な医療とそして適正な価格で、これだけの人たちが大変な思いをしているわけでありますから、ぜひその方向に向かって検討をいただければと思います。

 最後に大臣に一言お願いできればと思います。

 

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加藤国務大臣

 不妊治療についても、他の疾病と同様で、治療と疾病の関係が明らかで、治療の有効性、安全性等が確立しているものは保険適用の対象とすることで、例えば、卵管閉塞に対する卵管形成術、精管閉塞に対する精管形成術、子宮内膜症に対する医薬品等については保険適用としているところではあります。

 ただ、このうち、体外受精や顕微授精といったいわゆる生殖補助医療の保険適用は、疾病に対する治療と位置づけられるのかという課題があるというふうに考えております。そういった課題をどうこれから捉え直していくのか、これはしっかり議論はしていかなきゃいけないと思います。

 

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山川ゆりこ

ありがとうございました。引き続きこの問題は委員会等でやらせていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

 

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