質疑

2018年2月23日 予算委員会第四分科会

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 次に、山川百合子君。

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山川分科員

 立憲民主党の山川百合子でございます。

 衆議院では初めての質問となりますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

 フロム・ザ・クレイドル・ツー・ザ・グレーブ、揺りかごから墓場までといえば、戦後のイギリスにおける社会福祉政策のスローガンであり、その後、ウエルフェアステーツ、福祉国家という一つの国家観が世界じゅうに広がりました。

 残念ながら、この理想は、やがて英国病と呼ばれる逼迫した財政事情の中で、一度は破綻したかに見えました。しかし、その理念は、国家のために国民があるのではなく国民のために国家があるのだという、私自身の国家観の根底に深く刻まれています。

 その観点から、きょうは、出産、育児、教育、医療、介護といった一連の重要な政治課題に着目して、一番、出生率を向上させるための不妊教育について、二番、保育、幼児教育そして待機児童対策に関する認定こども園について、そして三番、児童クラブを含む学童期の放課後子ども総合プランの推進についての三点を伺ってまいりたいと思います。ぜひ、質問の趣意を十分に御理解くださり、今後の施策成果に違いをつくり出すような御答弁を賜りますよう、どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 それでは、まず、不妊教育についてでございます。

 実は、私は、みずからの不妊治療の体験から、不妊という問題が実は日本の少子高齢化の大きな原因の一つであることを実感いたしました。私の母は四十五歳で一番下の妹を出産していましたので、不妊という問題が、実は三十代前半から始まり、女性の場合は三十五歳ぐらいから非常に深刻化してくるという認識は、当時は全くありませんでした。

 一方、子供のころ見ていた金八先生で、中学三年生の女の子だったと思いますが、妊娠するエピソードに衝撃を覚えて、妊娠することには慎重でなければいけないというふうに学んだ気がしています。

 私は不妊治療の病院、医院などを幾つか回ったんですけれども、三番目に行った病院で、その院長が、日本では避妊は教えるが不妊は教えない、これが問題なんだというふうに指摘されたこと、私はとても深く共感を覚えています。

 事実、学習指導要領では、感染症予防などの観点から、避妊についての指導は長年にわたって行ってきたと思います。そして、避妊具の使用は既に一般化していると思います。しかし、同じ学習指導要領の中には、不妊というテーマに特化した項目は明記されているのでしょうか。

 まず最初に、このことについてお伺いをしたいと思います。

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今里政府参考人

 避妊と不妊の学習指導要領での扱いでございますけれども、中学校の学習指導要領では、今委員も御指摘のとおり、感染症の多くは、発生源をなくす、感染経路を遮断する、それから主体の抵抗力を高めることによって予防できるということが記述されてございまして、その解説におきまして、特に性感染症の予防の観点から、主な感染経路は性的接触であることから、感染を予防するには性的接触をしないこと、コンドームを使うことなどが有効であることにも触れるようにするとされてございます。

 また、高校の学習指導要領におきましては、「生涯の各段階における健康」というところでございます。結婚生活と健康について取り扱うことを示してございまして、家族計画の意義や人工妊娠中絶の心身への影響などについても理解できるようにすると示しております。

 御指摘のとおり、避妊については指導はされてきたところでございますが、これも御指摘のとおり、一方、不妊につきましては、学習指導要領それから解説におきましては、明示はしてはおりません。ただ、一方で、一部の教科書には、コラムとして不妊問題が掲載されているものがあるというのが現状でございます。

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山川分科員

 ありがとうございます。

 今御説明いただいたんですが、これまで学校教育では、望まない妊娠や家族計画といったテーマで避妊教育を実施してきたわけですけれども、その結果、妊娠とか出産の適齢期を避妊をして過ごすことが習慣化して、不妊になるリスクというものを見落としがちな傾向を同時に生み出してきたという実態が存在しているというふうに思います。このことを林大臣はどのように受けとめていただけるでしょうか。また、これは御見解をお伺いしたいと思います。

 実は、私は、この自分の不妊治療の経験から、埼玉県議会の議員をしておりましたので、その県議会時代に、不妊という問題を啓蒙、啓発する必要性を訴えて、この「願うときに「こうのとり」は来ますか?」という不妊の啓発冊子を作成していただいた経験がございます。

 これは、今、約十三万部ぐらい毎年つくられて、県下の自治体に婚姻届を出す方々に配られたり、あるいは成人式で配付をされたり、また、中学校や高校に配付をされたり、いろいろなところで活用されています。

 この冊子の中には、女性の問題と思われがちな不妊の原因の実は半分は男性にもあるんだということから始まって、あるいは加齢が妊娠することに影響を与えるということ、これは女性も男性もそうであるといったことなど、わかりやすく漫画形式で書かれているんですね、これが配付をされているわけであります。

 そこで、林大臣に、あわせてこれはお願いなんですけれども、ぜひとも文科省として、避妊と同様に、不妊を教えるための副教材を作成して、中学生や高校生にあまねく配付していただきたいというふうに思っています。

 過去に類似の副教材は作成したことがあるということは聞きましたが、それは文章のもので、こういう漫画形式ではなかったようですが、これに特化したものではなくて、あるページに載っているということは私も拝見しましたが、これも予算カットで、現在は配付できていないというふうに、その実態も伺っています。文科省としての予算確保が必要と思いますが、いかがでしょうか。

 そして、実は、不妊が日本の少子高齢化の片側の大きな原因であるのに、その問題意識が欠如、若しくは十分に対策が講じられていないために、本来国策として取り組むべきいわゆる不妊教育の徹底がなされていないことは、大変ゆゆしき問題だと私は感じています。

 不妊教育を文科省としてどのように推進していかれるのか、林大臣の御見解をお伺いしたいというふうに思います。お願いします。

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林国務大臣

 出産と年齢の関係を知らずに過ごしてしまって、妊娠を望んだときには、その今お示しいただいたパンフレットですと、望んだときにコウノトリが来るのかというのは、非常におもしろい、わかりやすい表現だと思いますが、結局、望んだときには妊娠が難しい年齢になってしまっているという、不妊に悩む人がいるというふうに理解をしておるわけでございます。

 私の周りにも、もう少し前、十年、二十年前ぐらいの話ですが、同年代の夫婦の中にはやはりそういう方がいらっしゃって、随分苦労していらっしゃるということ、私の友人にもおりましたので、やはり、妻の問題だけでなくて、夫の方の問題でもあるということを身をもってその例で学ばせていただきましたが、出産と年齢については、やはり発達段階を踏まえて正しい知識を得るということが重要であると思っております。

 先ほどお触れいただきましたが、妊娠、出産等を含む児童生徒の健康問題を総合的に解説した教材、これは全学校に配付したわけでございまして、その中で妊娠と年齢の関係について記載をしておるところでございます。

 この教材の活用を促すことで、学校における不妊等を含めた性に関する指導の充実に努めてまいりたいというふうに思いますし、そういうわかりやすい取組を埼玉県でされておられるということでございますので、そういうわかりやすさ等、参考になるところはしっかり取り入れて、今後も充実を図ってまいりたいと思っております。

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山川分科員

 ありがとうございます。

 これは埼玉県のなんですが、実は大分県もやっていて、私は大分県のを参考にして埼玉県に提案したら、上田知事が、ああ、これはこういう実態があるのかと、まず実態の認識と、それから、これはすぐやらなきゃいけないということで、予算委員会でやったんですが、二月でしたけれども、次の年度からもうすぐ冊子をつくったということで、まず正しい知識を持ってもらうということは人生の選択において非常に重要なことで、やはり教育現場というのはとても大事なことでありますから、ぜひともよろしくお願いをいたします。これは後で、こちらの方も大臣に読んでいただければというふうに思います。

 さて、不妊という問題解決に向けて今文科大臣にお伺いをしたわけでありますが、この問題の解決には、やはり社会環境全体の整備についても言及していかなければいけないと思います。

 不妊は、日本の少子高齢社会を抜本的に見直す大きな国策課題であると私は思います。そういうことですので、これは本来は安倍総理に御見解を伺ってみたいんですが、きょうは分科会ですので、あわせて厚生労働省の大沼政務官にも伺っていきたいと思うんです。

 具体的には、不妊治療が必要になる前に、いわゆる妊娠・出産適齢期に妊娠や出産するためには、女性も男性も、やはり働き方の改革とか出産のサポートとか、そういったことがますます重要な課題となってまいります。厚労省としては、これらが可能となる妊娠・出産適齢期に子供を持つことができるような、そういう社会環境の整備をどのように進めていくおつもりなのか、政府見解としてお伺いしたいと思います。

 あわせて、そうはいっても、子供が欲しいと思ったときに授からないということに直面している方々がたくさんいるわけでありまして、やはり不妊治療の助成制度の拡充といったものも私は必要であるというふうに思います。治療方法の拡充と助成制度の拡大をどのように進めていくのか、あわせてお伺いしたいと思います。

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大沼大臣政務官

 御質問ありがとうございます。

 私、今三十九歳でございまして、やはり同級生、男女問わず、この不妊の問題に悩む友人も多くおります。委員御指摘のように、しっかり厚生労働省としても多方面からいろいろなことを考えていかなければいけないと思っています。

 その中でも、やはり女性が自分自身の体をよく知るということが非常に大事でございまして、男性も同じではありますけれども、特に、妊娠、出産に関する知識を含め女性の体の健康に関する知識の普及啓発を図って、みずから健康管理をしていくことができるように支援していくということが重要な課題であると考えております。

 厚労省といたしましては、都道府県、指定都市、中核市におきまして、生涯を通じた女性の健康支援事業というものをしておりまして、その中に健康教育事業という項目がございまして、保健師、助産師などによる小中高大、学校での健康教室や講演会の実施、また、女性の健康教育に関する小冊子の配布等に努めております。

 また、委員御指摘のように、やはり働き方、これはまさに男女問わずワーク・ライフ・バランス、ここ何年か取組をしておりますが、しっかりと進める中で、そういった全体としての環境整備というものもしっかりしていかなければならないというふうに思っております。

 不妊治療に際しましても、自治体と連携をしながら、厚生労働省としてもしっかり取り組んでまいりたいと思います。

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山川分科員

 ありがとうございます。丁寧に御答弁いただいて、しっかりやっていきたいという御答弁をいただいて、ありがとうございます。

 ただ、もう少し、今は女性の体のことをよく知れるようにということが御答弁の中心にあったかと思うんですが、男性不妊というのも非常に深刻になっていて、実は何が深刻なのかというのは、先ほど一番先に触れましたけれども、不妊の原因が男性にもある、あるいは男性にあるかもしれないということを男性自身が直面することがなかなかできない、そのことで夫婦のいわゆる治療がおくれるとか、それで女性も年を重ねていくとか、男性不妊についても本当に非常に深刻な課題なんだというところの認識が、やはり日本の社会全体にまだまだ足りないんだと思うんですね。埼玉県では、ダイアモンド・ユカイさんをこうのとり大使にするなどして、男性不妊の啓蒙啓発にも努めていますので、そちらの方もぜひお願いしたいと思います。

 また、その治療の助成について、自治体と協力しながらということはありましたが、日本の十五万円という金額は、実際の不妊治療にかかる、生殖補助医療にかかる費用に対して非常に少ないわけですね。そうすると、この助成をもらっても、治療ができる人というのは私は非常に限られていると思います。私の経験からすると、まあ、病院によるんですよね、一回の治療に三十万から六十万から、多いところでは八十万ぐらい、一回ですよ、一回に、一周期にかかる。まあ御存じだと思いますけれども。それに対して十五万というのは非常に低いと思いますが。

 自治体でも単独補助、上乗せ補助をしているところ、それぞれ出てきています。埼玉県でも上乗せしていますけれども、男性不妊治療にも出すんですけれども、そういった経済的な負担をやはり軽くしていかなければいけないというところは、ぜひあわせて御認識いただければと思います。

 それで、もう一つだけ、これは指摘だけにとどめておくんですけれども、日本では、生殖補助医療の実施件数が世界で一番であるにもかかわらず、採卵一回当たりの出生率が一番低い、一番件数は多いのに赤ちゃんが生まれない、なかなか成功しないということで出産に至らない、こういう現実もあるということです。

 やはり保険適用されていないことが私は一つの原因かなとも思うんですが、医療技術の平準化とかいうのもやはりこれからの課題だと思いますし、そういった点はまだ、きょうはここで全部できないんですけれども、これからこの問題、私も国会でも一生懸命取り組んでいきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いをいたします。

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山川分科員

 それでは、時間が限られているものですから、認定こども園について伺いたいと思います。

 認定こども園は、行政のセクト主義の影響で、保育園は厚労省、幼稚園は文科省と、子供たちを区別して扱うのでは、社会で活躍する若いカップルとその子供たちのニーズには十分応えることができないという反省から始まった、画期的な施策であります。いわゆる幼保連携という考え方がその背景にはあると思います。

 しかし、その後、待機児童はますます大きな社会問題化し、保育サービスの多様化が広がって、全国の自治体でも、民間の認可保育園や小規模保育所など、そのほか施策が展開してきましたから、認定こども園の役割も少しずつ変化してきているというふうに思います。

 そこで、認定こども園という制度が発足して十年がたちましたが、その間の認定こども園の設置数や国としての支援策はどのように充実してきたのか、お伺いをしておきたいと思います。

 特に、新制度発足以来、設置数や予算額が急速に伸びているようでありますけれども、今後どのような取組をお考えでしょうか。いわゆる社保一体改革における〇・三兆円メニューの財源確保がぜひとも必要であると思いますけれども、その中身についてどのように取り組んでいかれるおつもりなのか、あわせてお伺いをしたいと思います。

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川又政府参考人

 お答え申し上げます。

 認定こども園制度は平成十八年に創設されまして、平成二十七年四月に施行されました子ども・子育て支援新制度におきまして、幼稚園、保育所、認定こども園に共通の財政支援の仕組みを創設するなど、認定こども園制度の改善を図ってまいりました。

 こども園の数でございますけれども、新制度施行前の平成二十六年四月現在では千三百六十園でございましたけれども、それ以降、毎年約一千園以上増加をいたしまして、平成二十九年四月現在、五千八十一園となっております。

 この創設以降、平成二十七年度以降ですが、定員規模に応じた教諭等を加配するチーム保育加配加算、あるいは事務負担の増大に対応した事務負担対応加配加算等を創設いたしまして、給付面での充実を図ってまいりました。

 さらに、認定こども園の施設整備につきましても、文部科学省、厚生労働省におきまして施設整備費の充実が図られてきたところでございます。

 認定こども園への移行につきましては、地域のニーズ、あるいは事業者の意向を踏まえつつ、移行を希望する園に対しては、今後とも、円滑に移行できるように支援をしてまいりたいと思います。

 また、一体改革の関係の御質問がございました。

 社会保障と税との一体改革におきましては、幼児教育、保育、子育て支援の質、量の拡充を図るためということで、一兆円を超える程度の財源が必要というふうに認識をされております。そのうち消費税が一〇%に引き上げられたときに実施することといたしておりました〇・七兆円分のメニューにつきましては、消費税率が八%に据え置かれる中にあっても、保育所などの整備の拡大に伴う運営費の増額、あるいは三歳児の職員の配置の改善、保育人材の三%の処遇改善など、全ての事項を実施をしてまいりました。

 それ以外の、さらなる質の向上を実施するための〇・三兆円のメニューにつきましては、保育人材の処遇の二%の改善、あるいは放課後児童クラブ、社会的養護の職員の処遇改善を平成二十九年度に実施をいたしました。また、これとは別に、技能、経験に基づく四万円の処遇改善というものも行っております。

 質の改善につきましては、骨太の方針二〇一七におきましても、「子ども・子育て支援の更なる「質の向上」を図るため、消費税分以外も含め、適切に財源を確保していく。」とされているところでございまして、こうした方針に基づいて、引き続き、各年度の予算編成過程におきまして安定的な財源確保に努めてまいりたいと考えております。

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山川分科員

 ありがとうございます。ぜひ、この認定こども園制度が待機児童問題の解決に更に寄与することも含めて取り組んでいただければと思います。よろしくお願いいたします。

 時間もありませんので、最後の質問ですけれども、放課後子ども総合プランの推進についてお伺いをしたいと思います。これは、教育改革全般についての提言も含めて問題意識を共有化したい、そういう意図からお伺いをいたしますので、どうぞ大臣にもよろしくお願いいたします。

 小学生の放課後対策には、以前から、学童保育と呼ばれた厚労省所管の放課後児童クラブと、文科省所管の放課後子ども教室があるわけでありますが、ここでも、対象児童へのサービスを、福祉と教育という異なる観点から別々の行政組織が担っておられるわけであります。しかし、実際にそのサービスを受ける子供たちの立場からは、そのような明確な違いはないというふうに思います。

 子供たちの放課後を質の高い時間と空間に変革していくことで、子育てを支援するばかりでなく、子育ちを力強く応援していく社会をつくり出していくべきではないかというふうに思っております。

 そこで、まず、放課後児童クラブの現状はどうなっているのかをお伺いいたします。

 待機児童数はどのような傾向であるのか、運営主体につきましても、NPOなどの参画もあり、また公設公営、公設民営など多様な形態がありますし、また、設置場所も、学校であることが一番望ましいわけではありますが、それでも児童館や学校外への設置例もあります。ですので、運営実態についてお伺いをしたいと思います。

 さらに、待機児童対策を推進していく上で、定員の大規模化にも対応しながら、多様な運営実態を想定した、児童クラブ設置のための補助制度はどのような予算規模で行おうとしているのか、お伺いをしたいと思います。

 これは、厚労省から御答弁をいただきたいと思います。

 あわせて、放課後子ども教室の現状はどうなっているのかをお伺いをしたいと思います。

 現時点で放課後子ども教室の実態は、恐らく、一週間当たりの実施日数や時間は週に二、三日程度などと、まだかなり限定的だと思いますが、しかし、制度的には、これは一日四時間、そして年間二百五十日までは実施できるというふうに伺っているわけであります。つまり、学校のある日は実質的には毎日実施できるというような制度設計になっているはずでありますが、であるならば、これは毎日実施できないものか。

 これは生涯学習局長さんにお伺いをしたいというふうに思います。お願いします。

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成田政府参考人

 お答え申し上げます。

 放課後児童クラブの現状につきましては、平成二十九年五月一日現在、児童クラブ数が二万四千五百七十三カ所、登録児童数が約百十七万人、待機児童数が一万七千百七十人となっております。

 設置・運営主体別のクラブ数の割合につきましては、公立公営が八千六百六十二カ所で三五・三%、公立民営が一万一千百七十六カ所で四五・五%、民立民営が四千七百三十五カ所で一九・三%となっております。

 設置場所につきましては、学校の余裕教室が七千二百三十一カ所で二九・四%、学校敷地内の専用施設が六千四十カ所で二四・六%、児童館が二千六百十七カ所で一〇・六%などとなっております。

 予算につきましては、平成三十年度予算案におきまして、受皿の拡充等により、対前年度七十四億円増の七百九十九億円を計上しており、年々増加傾向となっているところでございます。

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常盤政府参考人

 お答え申し上げます。

 放課後子ども教室でございますけれども、その実施要領におきまして、学校の稼業日数を勘案いたしまして、原則として年間二百五十一日未満まで積算をするということは委員御指摘のとおりでございます。そのことによりまして、制度上はほぼ毎日実施することということも可能でございます。

 その際に、放課後子ども教室につきましては、全ての子供たちに学習や体験あるいは交流活動の機会を提供するという趣旨から、地域のさまざまな方々の参画を得て成り立っているというものでございますので、やはり実施に当たっては地域の人々の協力が必要であるということから、それぞれの地域の実情を踏まえて適切な実施をお願いしているというところでございます。

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山川分科員

 ありがとうございます。

 学童の方は、予算を毎年増額していただいているということで、更に進めていただきたいと思います。お願いいたします。

 また、放課後子ども教室の方なんですが、制度設計としては一日四時間、二百五十日までできるんだけれども、地域の方々の御協力をいただいているので、事情もありますので、なかなか簡単でもありませんという意味だと思うんですが、御答弁としては。

 ただ、この放課後子ども教室を実質的に毎日実施することができれば、学童の待機児童というのはたくさんいるわけで、もちろん学童と放課後子ども教室の役割は違うとはいえ、しかし、その補完的というか機能も果たせるというふうに思いますし、また、習い事や塾と曜日が重なっても、毎日あれば、全ての児童が放課後の時間を充足させるためのインセンティブを保障されることになるというふうに思います。ぜひとも積極的に実施できるようなプログラムを充実させていっていただきたいと思っているんですね。

 そこで、そのために提案なんですけれども、大臣に伺っていきたいんですけれども、政策提案として、ぜひ、この日本の特に公教育の質を飛躍的に高めるための真剣な提言でございますので、どうぞ大臣には受けとめていただいて、前向きな御答弁をいただきたい。どうぞよろしくお願いを申し上げます。

 どういう提案かといいますと、まず、放課後子ども教室に積極的に教職志望の大学生をボランティア指導員として引き入れることはできないかという提案でございます。

 これにより、教職志望の大学生の教師としての適性が開花し、その経験が教員となった後も大いに生かされることになると思います。このボランティアを大学が単位認定する、また教員採用試験でも評価項目として加点されるなどすれば、大学生にとっては大変大きなインセンティブになると思いますし、さらに、教員採用試験では評価し切れない教師としての適性や資質を見ることにつながるというふうに思います。将来の教育界を担う人材を幅広く育成することにもつながりますし、何といっても、ボランティアですから、財政負担も最小限に抑えられると思うんですね。御検討いただきたいと思います。

 さらに、またあわせてお願いなんですけれども、この放課後子ども教室を毎日実施をしようと積極的に取り組んだ市町村については、みずから実施したこの教室の果実として得た将来有望な教職員となる見込みのある人材を、独自にその市町村の公立小学校で採用することができる採用枠というのを設置していただきたい。

 このことによって、市町村でも積極的に地域の教育力の向上を目指す画期的な制度とチャンスを手にすることができると。これは、自治体議員としての経験から切実に思っているんですね。ぜひ大臣の前向きな御答弁をいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。

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福井主査

 林大臣、簡潔にお願いいたします。

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林国務大臣

 ちょっと時間が限られてまいりましたので、簡潔にお答えをしたいと思います。

 まず教員養成課程の学生、ボランティアでということで、既に御指摘がありましたように、いろいろなところで実際にそういうことが動いておりまして、教員免許取得のための単位として認めている大学もあるということでございますし、我々の方も、教育職員免許法施行規則を改正しまして、学校体験活動として明確に位置づけて、教育実習の単位の一部に置きかえることができるということになっておりますので、こういうことも含めて、しっかり進めてまいりたいと思っております。

 それから、採用の方でございますが、これは一義的には、市町村立学校の教職員の採用は、都道府県・指定都市教育委員会が任命権を持っておりますので、そこで、提出書類に自己アピールやボランティア活動について記載する欄が設けられておりますほか、この放課後子ども教室における活動を継続に行っている者を対象として、いろいろなものを免除したり加点する制度を既に設けている教育委員会もあるということで、名古屋市では、トワイライトスクール、トワイライトルームで子ども指導員、学生ボランティアなどの活動をしている者に対して、平成二十七年、二十八年度は一部試験科目の免除、平成二十九年度、一部試験科目の加点ということを実際行っておられるということでございますので、こういう取組をいろいろなところでやっていただくように促してまいりたいと思っております。

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山川分科員

 ありがとうございました。


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福井主査

 これにて山川百合子君の質疑は終了いたしました。

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