質疑

GPS方式による位置情報確認制度や薬物療法の導入について

2019.11.15法務委員会より

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山川ゆりこ

 それで、どうやって再犯を防止していくかということについてなんですが、GPSによる監視措置、薬物療法などを諸外国では導入しているところもあるわけでありますので、法務省としては、GPSによる監視とかあるいは薬物療法、これについてどういう研究を行っているか、また、導入するかどうかについてはどういう論点があるというふうに整理されているのか、そこも伺っておきたいと思います。

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西山政府参考人

 海外におきましては、性犯罪者の再犯を防止するため、GPS方式による位置情報確認制度や薬物療法を導入している例があることは承知してございます。

 この点、法務省におきましては、過去に法務総合研究所が諸外国における性犯罪対策や位置情報確認制度に関する研究を行ったことがあり、その後も、性犯罪者の再犯を防ぐために、諸外国で行われている位置情報確認制度や薬物療法等に関する情報収集に努めているところでございます。

 その上で申し上げますが、GPS方式による位置情報確認制度については、対象者の日常生活上の行動が常に監視される状況下に置かれ、プライバシー権などとの関係において人権上の大きな制約が生じることになるといった課題が指摘されているものと認識しております。

 また、薬物療法につきましては、そもそも人の生理的機能を損なうことを内容とするものであり、また副作用が生じるおそれもあることから、法執行機関における処遇として実施することの妥当性に疑義がある、あるいは、既に薬物療法を実施している諸外国における状況を見ますと、使用する薬剤にばらつきがあり、薬剤の効能、副作用に関する専門家の意見がまとまっていないなどといった課題が指摘されているものと認識しております。

 いずれにいたしましても、平成二十九年十二月に閣議決定しました再犯防止推進計画においては、海外における取組などを参考にしつつ、性犯罪者等に対する指導等について一層の充実を図ること、それから、犯罪をした者等の再犯の防止等を図る上で効果的な処遇のあり方等に関する調査研究を推進することなどとされておりまして、性犯罪者の再犯を防止する上での効果的な処遇のあり方等について、諸外国の例なども参考にしつつ、引き続き幅広い観点から検討してまいりたい、このように考えております。

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山川ゆりこ

 導入がいいかどうかというのは、いろいろとちゃんと調査して検討していかなければいけないと思うんですが、犯罪を犯した人の人権、もちろんです。

 しかし、被害者の人権というのがあるわけでありますから、やはり本当にこのことは、もう絶対再犯をさせないということは徹底していかなければいけないというふうに思っています。

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