国会

【国政レポート】2021年5月(草加市版)

コロナ禍を止めるーワクチン接種始まる

 こんにちは、衆議院議員 山川ゆりこでございます。
感染症対策には大きく二つの分野があります。ひとつは「社会的介入」。そしてもうひとつが「ワクチ
ン開発」です。社会的介入というのは、感染者の選別と隔離が基本で、その他にも都市封鎖や緊急事態宣言、
三密の回避やマスク着用の義務化など、行政による幅広い規制や要請が含まれます。しかし、感染症を
根絶するにはどうしても「ワクチン開発」が必要です。
今回の新型コロナウイルス感染症に対しては、社会的介入と国民皆保険制度を基盤とする全国一律に
だれもが受診できる日本の高度な保健医療体制、そして国民の皆様の高い公衆衛生意識によってコロナ
禍を凌いできました。しかし、いつ起こるか分からない感染症への、防災対策なみの危機意識が足りなかっ
たために、日本は国産ウイルス開発で大きく世界から出遅れました。しかも、国民へのワクチン接種率
は先進国で最低レベルの状況です。
このような中で東京都では3度目の緊急事態宣言が発出され、地元の皆様にも多大なご迷惑をおかけし、
誠に申し訳ありません。現在、会期中の第204回通常国会で、私は厚生労働委員会と外務委員会に同時に所属していることから、
様々な視点でコロナ禍収束に向けて日夜活動しています。
引き続き、深いご理解ご協力を賜り、皆様の声を私に聞かせて下さい。どうかよろしくお願い申し上げます。

令和3年4月29日(昭和の日) 衆議院議員 山川百合子

日本の医療を守れ 医療法等改正で2度目の
本会議代表質問に立つ山川ゆりこ

 山川ゆりこは3月18日、衆議院議員一期生ながら、2018年のTPP11の条約締結に係る代表
質問に次ぐ2度目の本会議場代表質問に立ちました。今回も国の最重要課題である「医療法
等の改正法案」について、院内会派「立憲民主党・無所属」を代表して、日本の医療を守る
立場から、政府の姿勢を糾しました。
これまでの医療法の改正は、増大する医療費を抑制し、日本が世界に誇る国民皆保険制度
を継続するという名目で、実際には保健医療全体のリストラが行われてきました。今回の改正
案も、名目としては医療従事者の待遇改善と説明されていましたが、これまで医師や看護師が
担当してきた業務の一部を検査技師などの医療従事者に転嫁するタスクシフトが盛り込まれて
いたり、地域医療における医療機関ごとの役割分担を見直す議論が含まれていたりしました。
コロナ禍が収束するまでは、医療制度全体を適正に見直すことは困難であり、その中でも
献身的に働く医療従事者に一時金を支給する野党提案を受け入れず、菅総理が口走った「皆
保険制度の見直し」をこのコロナ禍の渦中で今、行うことは時期尚早であると議論しました。
日本でこのコロナ禍をこれまで凌いでこられたのは、日本の優れた保健医療体制と医療従
事者の献身的な働きがあるからであり、今後とも、日本の医療を守っていかなければなりませ
ん。医療従事者の皆様に心から感謝申し上げます。

もっと知りたいワクチンのこと ー5つの異なるワクチン

世界に誇る「創薬力」を持つ日本で、なぜ今回の新型コロナウイルス感染症に有効な国産ワク
チン開発が出来ないのでしょうか?「治療薬」が優先されて、「予防薬」が疎かになっているとい
う指摘もありますが、昨今のワクチン開発に必要な日常的な「基礎開発」分野の遅れと予算不足が大きな原因だと言われています。今回の新型ワクチンには大きく5つの異なる種類があります。ひとつは従来からある「不活化ワクチン」です。これは感染症の原因ウイルスから毒性を取り除いたワクチンを接種して、体内に抗体を生成するもの。これに対して、今回、世界中で開発が進んでいるのが4つの「遺伝子ワクチン」です。その4つの内、「組み換えたんぱくワクチン」はウイルスのたんぱく質の一部
を人工的に作って投与し、体内でウイルスを攻撃する抗体をつくるメカニズム。「ウイルスペクターワクチン」はウイルスの遺伝子の一部を別のウイルスに組み込んで投与するワクチン。「DNAワクチン」は人工的に合成したウイルスの遺伝子を投与するワクチン。「mRNAワクチン」はウイルスの表面にあるスパイクたんぱく質を作るための遺伝子情報を伝達する物質「mRNA」を使ったワクチンで、日本で接種されるファイザー社製のワクチンは、この「mRNAワクチン」に分類されています。

山川ゆりこの新型コロナ対策への取り組み

 山川ゆりこは、国会での議論を通じて、様々な新型コロナウイルス感染症対策に取り組んでいます。厚生労働委員会や外務委員会で、田村厚生労働大臣、茂木外務大臣に対し、希望する国民が早くワクチンを接種できるように、国が責任をもってスピーディに供給することや、「人間の安全保障」に貢献するワクチン外交等、様々な政策提言を行っています。

ワクチンを受け取る指定病院と医師会の病診連携【越谷方式】を紹介!

 4月7日の厚生労働委員会で、ワクチンを受け取る指定病院と医師会の病診連携でワクチン接種を加速化する【越谷方式】を紹介し、全国の自治体への情報提供を求めました。【越谷方式】は、市に供給されるワクチンを受け取る指定病院 北辰病院と越谷市医師会が連携し、医師会会員の約70の医療機関に直接、ワクチンを配分して、医療従事者へのワクチン接種の加速化を実現。第一弾の医療従事者へのワクチン接種を各医療機関が行った実績を基に、市民へのワクチン接種をスピーディに行う体制を構築しました。正にワクチン接種の病診連携の実例として、山川ゆりこは厚生労働委員会で紹介し、全国に同様の体制構築を広げるように田村大臣に求めました。越谷市、草加市をはじめとして、各医療機関と
医療従事者の多大なご協力によって、ワクチン接種に向けた準備ができている自治体は、ワクチンの供給を心待ちにしています。国が自治体の求めに応じて、どれだけ早く供給できるかという問題だけが積み残されています。山川ゆりこは委員会の場で田村大臣に、このように優れた自治体レベルの取り組みや協力体制が既に完了しているのだから、国はもっと切迫感をもって、ワクチンを迅速に確保し、供給する責任を果たして欲しいと強く求めています。

厚生労働委員会でワクチン接種を加速化させる「越谷方式」を提案する山川ゆりこ

日本国民と世界を救う
―国産ワクチン開発を急げ!

 皆さんはワクチン外交とかワクチンナショナリズムということばを聞いたことがありますか?中国が自国民へのワクチン接種よりも、一帯一路を推進する世界の相手国の指導者たちへのワクチン無償
提供を優先し、自国開発ワクチンを外交手段として活用していると批判されたり、その逆に米英が自国ワクチンを自国民に集中的に提供し、EUも域内でワクチンの囲い込みをしていると批判された
りする時に、これらのことばが使われます。日本ではそもそも国産ワクチン開発が遅れているので、日本国民へのワクチン提供もままなりませんが、それでもCOVAX(コバックス)というワクチン共同購入プログラムを積極的に支援して、途上国などにもワクチンが供給されるような人道的な外交を展開
しています。ですから、もし日本に国産開発ワクチンがあれば、「人間の安全保障」(武力によらない平和外交)に基づく日本独自の外交を展開することができるはずです。そのためには外務省も、国際的な研究活動や国際連携を支援し、数々のパテント(著作権)で守られた製薬材料を相互提供できる
国際的な枠組みをつくり、日本でも国産ワクチン開発が実現できる土壌をつくるべきです。そして、日本版BARDA(アメリカ生物医学先端研究開発局)の創設を省庁横断的に実現して欲しい。このように山川ゆりこ代議士は外務委員会で何度も茂木大臣に求めてきました。茂木大臣は「あくまでもワクチン開発は外務省の所管外であり、お応えする立場にありません」という答弁を繰り返していましたが、
4月7日の答弁では、「政府全体で取り組むべき問題だと思っています」と大きく前進しました。皆さんはどう思われるでしょうか?

【外務委員会】山川ゆりこが提案する国産ワクチン開発による「人間の安全保障」の推進に
ついて、「政府全体で取り組みます」と答弁する茂木外務大臣

”コロナ禍での”75歳以上、医療費2割負担に反対!~必要な財源確保の為の法案を提出~

 政府が求めている医療費2割負担の対象は年収200万円以上(単身の場合)の方ですが、山川ゆりこは、このコロナ禍にあっては、負担増がさらなる受診抑制と健康被害につながる可能性を心配してい
ます。影響調査をした上での審議であるべきですが、政府は調査をしないまま「大きな影響はない」という姿勢です。もちろん、財源を確保し現役世代の負担を減らすことは大変重要であるため、立憲民主党では、保険料の賦課限度額の引上げなどを盛り込んだ対案を提出しています(4月7日)。山川ゆりこも提案者の一人です。負担増について、皆様から是非ご意見をお寄せください。

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