令和2年4月3日厚生労働委員会質疑より
こちらからの要望をちょっと述べさせていただきますと、男性不妊、助成の創設は本当にありがたいです。更にその実態調査を、泌尿器科の専門の先生と連携しているところは非常に少ないということも言われていますし、実際、泌尿器科の先生に本来は回すというかお願いしなきゃいけない、専門的なところに行き着かないまま女性が不妊治療を続けるというケースもよく報告されていますので、そういった点。また、クリニックで行われている治療の内容、それから料金設定。
この間、予算委員会の分科会でお話ししましたから、ここで個々にはお話ししませんが、本当にさまざまで、患者の側はどこで自分に適切な治療が受けられるのか全くわからないんですね。治療を受けても、何でこんなことを今さら、何年も治療した後に当たり前の情報をここから聞かされなきゃいけないんだみたいなことになっていますので、料金設定、治療の内容、それから医療連携とかですね、こういった点。
また、あわせて、医療機関での実態調査もそうなんですが、自治体がかなり厚労省の制度に対して上乗せ補助とかあるいは啓蒙啓発とかいろいろやっていますから、それもちゃんと把握していただいて、どういうことが効果的なのかといった分析。さらには、保険適用ということがずっと言われているわけですから、適用することの課題。それから、諸外国での取組、そこのメリット、デメリットなり、国家財政の負担とか。そういったさまざまな、包括的な研究を行っていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
御指摘のございました今年度の不妊治療の調査研究でございますが、具体的な項目についてはこれからということになりますが、御指摘のございました不妊治療の内容、これはもちろん数字的なことだけではなくて、男性不妊治療も含めましたそういったことですとか、あるいは費用負担の状況、さらには国民の不妊治療に係る意識、こういったものについて把握したいと考えております。
また、御指摘のございました自治体の状況につきましては、実は、平成三十年度の厚生労働科学研究におきまして、これは費用負担の面からですが研究をしておりまして、これは二十九年四月一日現在でございますけれども、単独事業として助成をしているというところが約五五%あったというような結果もございますが、いずれにしましても、せっかく調査をいたしますので、できるだけ幅広い調査研究をしていきたいと思っております。
ぜひよろしくお願いをいたします。
そして、やはり、不妊治療の課題に取り組んでいると本当につくづく思うのは、どれほど日本の社会の中で不妊に対する、あるいは妊孕性というんでしょうか、男性不妊も含めてですけれども、についての知識、男性も女性も、自分の体というものがどうなっているのか、子供を持つということに関する、自分の体がどうなっているのかということを余りにも知らないんだなということを、これに携わると、私自身の経験からしてもそうなんですが、本当に突きつけられるわけであります。
内閣府の調査でも、先進国の中では日本人の妊孕性の認識、知識が極めて低いという調査結果も出ているわけですね。このことを何とかしない限り、根本的に社会の認識をしっかりと広げていかないとやはりだめだなというふうに私は思っているんです。
学校現場それから社会全体に対する啓蒙啓発、これらについて、少しずつやはり、この不妊治療を、いろいろな、二十五年に例えば報告書を出していますけれども、そこでもこの点は指摘されているんですよね。これらについてこれまで、どういう改善なり、取り組んで、そのことによって認識が広がってきたか、教育現場と社会全体に対しての、その辺のところをちょっとお伺いしたいと思います。
学校における不妊に関する教育の取組についてお答えをしたいと思います。
学校における性に関する指導は、学習指導要領に基づいて、児童生徒が性に関し正しく理解し、適切に行動がとれるようにすることを目的として実施をされております。体育科や保健体育科、また特別活動を始めとして、学校教育活動全体を通じて指導することとしております。
そして、お尋ねの不妊に関しましては、高等学校保健体育科の学習指導要領に基づいて、加齢に伴って妊娠しにくくなること等について指導が行われているところでございます。
加えまして、文部科学省におきましては、児童生徒の健康問題を総合的に解説した教材を作成しておりまして、全国の教育委員会担当者が集まる会議などでこの活用も周知をしてきたところであります。その教材の中では、不妊の原因は男女ともに考えられること、また、医学的に男女ともに加齢により妊娠しにくくなることなどについて触れております。不妊に関することについて児童生徒に正しく理解をさせることは重要であるというふうに考えております。
今後も、学校現場における本教材の活用の推進、また指導参考資料の改訂等を通じまして、指導の充実に努めてまいりたいというふうに思っております。
社会全体というふうな御指摘もございましたので、内閣府の方からお答え申し上げたいと思います。
私ども、少子化社会対策大綱全体を取りまとめる立場になっておりますけれども、現行の大綱でも、個々人が結婚や子供についての希望を実現できる社会をつくるということを基本的な目標に掲げているというところでございます。
一方で、出生動向基本調査によりますと、子供の数に関する希望がかなわない理由といたしまして、欲しいけれどもできないというふうなことを理由に掲げる方の割合が全体の二割を超えている、また、年齢が上がることによってその割合が高まっていく、そういうふうな状況もわかっておりますので、不妊に悩む方への支援を通じましてその希望をかなえていくということは非常に重要であると私どもも思っております。
昨年末、新しい少子化社会対策大綱に向けた有識者の検討会の提言をいただいたところでございますが、その中でも、男女を問わず不妊に悩む方への支援に取り組むことの必要性、あるいはライフプランニングの重要性、こういったことを御指摘をいただきました。
これを受けて、現在検討中の新たな大綱につきましても、厚労省とも相談をしながら、不妊に悩む方への支援に資する施策、こういったこともしっかり盛り込んで、妊娠、出産に関する希望がかなうような環境整備を進めていきたいというふうに考えております。
ありがとうございました。
きょうは、お時間をいただいてありがとうございます。ぜひ、コロナ感染症対策、スピード感と切迫感を持って、そしてまた、不妊治療についても今年度の調査研究をぜひ大事にして取り組んでいただきたいと思います。
ありがとうございました。