九十三番(山川百合子議員) 九十三番、民主党・無所属の会の山川百合子でございます。議長のお許しをいただきましたので、発言通告に従いまして順次質問をさせていただきます。
まず初めに、不妊は日本社会の課題、埼玉発実効性のある少子化対策、赤ちゃんが欲しいと願うカップルの支援についてお伺いいたします。
私は、昨年の予算特別委員会で、自分自身の経験を踏まえて不妊の問題を取り上げ、妊娠、出産に関する男女それぞれの体のことについて、若い時代から正しい知識を教育する必要性を訴えました。また、高額な不妊治療費への更なる助成についても質問をいたしました。さらに昨年九月の定例会では、男性不妊治療のための助成について、知事の御英断を求めたところです。こうした私の質問に対して、上田知事は真摯に対応してくださいました。
まず、このような啓発冊子を作られました。「願うときに『こうのとり』は来ますか?」という問い掛けのタイトルで、漫画形式の十二ページ、中高生や大学生にも親しみやすいスタイルになっており、一問一答方式で気軽に読めるものです。加えて、男性にも不妊の原因があることや年齢が上がることにより妊娠率が低くなることなどを具体的なデータを用いて説明しており、非常にすばらしい冊子になっています。マスコミにも次々取り上げられています。県のホームページからもダウンロードできますので、是非皆様にも御覧になっていただければと思っております。
また、男性不妊治療費への助成についても、平成二十六年度補正予算をして四千万円が計上をされております。上田知事のこうした対応に心から感謝を申し上げます。今後は、これらをどう広げ活用していくかが問われます。
そこで、お伺いいたします。
今後、この冊子を学校教育の現場をはじめどのように活用し、若い世代を中心とする県民の方へ、妊娠、不妊に関する正しい知識の啓発をしていくのでしょうか。
次に、男性不妊治療費の助成制度についてですが、助成制度があるくらい、男性不妊も深刻な課題なんだということを広く県民の方に知っていただく必要があります。制度の概要に関するパンフレットを作成するかと思いますが、これを県内の医療機関だけでなく、県外の医療機関にも置いてもらえないでしょうか。県民の中には、県外の医療機関に行かれている方も多いと思います。そうした方にも埼玉県の助成制度を知っていただくために、是非このことをお願いしたいと思います。
以上二点について、保健医療部長にお伺いいたします
山川百合子議員の御質問にお答えを申し上げます。
まず、不妊は日本社会の課題、埼玉発実効性のある少子化対策、赤ちゃんが欲しいと願うカップルの支援のお尋ねでございます。
不妊治療は高額で、保険適用外のものが多く、治療されている方にとって非常に重い経済負担がございます。
出産を希望する方に対して経済的な負担の軽減を図り、その希望をかなえられるように支援することは、現在、少子化対策にとって極めて重要な課題になりました。
そこで、県は国の施策に対する提案・要望を行う中で、不妊治療に係る新たな助成制度の創設や医療保険の適用化を厚生労働省に要望をしております。全国知事会からも、国の助成額の増額や医療保険の適用化を要望しています。
ただ、国に要望するだけではなく、都道府県も自ら行動を起こすことが必要であります。
そこで、本県は男性不妊治療の助成制度を創設することにいたしました。他の都道府県でも同じような動きが出始めました。
こうした動きを大きなうねりとして国をしっかりと動かしていきたい、このように思っております。
不妊で悩んでいる方が出産の希望をかなえられるよう、都道府県も自ら行動するとともにスクラムを更に強化して、引き続き制度の充実を国に要望してまいります。
御質問一、不妊は日本社会の課題、埼玉発実効性のある少子化対策、赤ちゃんが欲しいと願うカップルの支援についてお答えを申し上げます。
まず、冊子をどのように活用し、正しい知識を啓発していくかについてです。
この冊子は、男性にも不妊の原因があることや、年齢を重ねると妊娠しにくくなることなどの知識を分かりやすくまとめたものでございます。若い時期にこうした知識を学ぶことは、将来出産を希望する際に必ず役立つものと考えます。
そこで、中学校、高校に配布し、保健教育の場で活用していただいたり、県内の大学で出前講座を実施する際に活用いたします。また、全ての市町村の御協力をいただき、婚姻届を提出する方が窓口などで受け取れるようにいたしました。さらに、医療機関や薬局に置かせていただき、多くの方に手軽に手にとっていただくようにしたいと考えております。このような様々な方法により、この冊子を多くの県民の方に読んでいただき、不妊で悩む方が一人でも少なくなるよう努めてまいります。
次に、男性不妊治療費の助成制度のパンフレットを県内の医療機関だけではなく、県外の医療機関にも置いてもらえないかについてです。
現在、県では、体外受精や顕微授精の治療費助成制度を解説したパンフレットを県内だけでなく、関東一都五県の関係する医療機関にもお送りをしております。多くの医療機関では、パンフレットを患者に手渡したり待合室に備え付けるなどの協力をしていただいています。今後は、男性不妊治療費を含めた助成制度の新たなパンフレットを作成いたします。県内外の医療機関に対し、このパンフレットを活用して制度内容について県民に周知していただけるよう、改めて強く協力を求めてまいります。